「墓穴を掘る」
自分の手で自らを破滅に導く原因をつくる。(大辞林 第二版より)
本日夕方、弁護士事務所よりファックスで小学館サライ著作権侵害裁判の被告(小学館)準備書面が送られてきた。
前回の17ページに引き続き、今回も15ページにもわたる力作?の大半は、被告小学館が撮影に当って原告である私にいかに細かな指示を出していたか(まったく事実ではないが)に終始していたが、最終ページに目を疑うような記述が……。
「ポジフィルムをフィルム・スキャナーでデジタル化し、これをハードディスクのサーバーに蓄積保存した」
これまで被告小学館のサライ副編集長は私に「契約をいただいていない写真家のポジをデジタル化し複製権を侵害してしまったが、CD-ROMに落としてあるので社員(小学館)のパソコンからアクセスできない」と説明していた。まあ、無断で複製をするような会社が、わざわざ契約を結んでいない写真家のデータのみをCD-ROMに保存していたなどとは、にわかに信じ難たかったのであるが、はからずも被告自らが裁判中に重大な著作権侵害を認めてしまったわけである。
弁護士が書いた書面でハードディスクのサーバーとの表現は大いに笑えるにしても、これは明らかに「送信可能化権の侵害」を白状したもので、まさに被告自ら「墓穴を掘った」ことになる。
まあ、以前、言い逃れのためについた嘘をすっかり忘れてしまったんだろうね、タ・ブ・ン……。
もひとつ、「取引のあるほとんどの写真家から、写真使用契約書を締結して…」とあるが、これも2003年1月の時点でサライ副編集長は「契約を結んだのは4人のみ」と説明(100名以上の写真家が写真を提供)していて、2005年に私が所属する日本写真家協会と写真著作権協会が合同でサライに写真を提供した会員に行なったアンケートでは契約締結者は皆無であったため、双方とも今回の主張とは大きく矛盾する。
こんなところで嘘つくと、また墓穴を掘っちゃうよ!
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