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書籍情報
「平沢死刑囚の脳は語る」購入方法について
2000年7月24日発行された 平沢武彦・編著「平沢死刑囚の脳は語る」は書店や楽天ブックス、アマゾン等では手に入りにい状態となっており、多数のお問い合わせをいただいております。出版元のインパクト出版会へ問い合わせたところ、2009年10月現在、若干の在庫が残っており出版元のWEBページ上から購入することが出来るとのことです。この場をお借りして、あらためて本書の内容と購入方法をご紹介いたします。
2009年10月10日

 

 

「平沢死刑囚の脳は語る」
覆された帝銀事件の精神鑑定
平沢武彦・編著
インパクト出版会
定価2,300円+税
2000年7月24日発行
ISBN: 4-7554-0082-1
購入方法
下記のインパクト出版会へのリンクから購入することが出来ます。
出版元の購入ページはこちらです (画面の最下方に注文ボタンがあります)
送料は一律310円
平沢死刑囚の脳は語る」覆された帝銀事件の精神鑑定

帝銀事件再審請求人 平沢武彦


 判決が自白の信憑性を裏付ける証拠として採用したのは、佐々木事務官と安達警部補の公判証言、そして東大によりなされた内村・吉益教授による「精神鑑定書」だった。(写真右・東大・内村教授(中)らの精神鑑定を受ける平沢貞通)
 安達警部補は、高木検事の取調べの際、同席し、特に新聞に記されていなかった未遂事件についての捜査記録を持参、現場の地図を平沢に見せるなど、調書に記されていない教唆を、平沢にしたことは、裁判記録を読むとよく判る。
 そこで、問題となるのは、平沢のコルサコフ病についてである。内村教授による「精神鑑定」については、多くの精神医学者が異議を唱えてきた。(写真左・平沢の脳の標本)
 
「精神鑑定書」では、責任能力を認めるとともに、自白には信憑性があるとしているが、脳炎の状態からみて、平沢は心神耗弱とするのが妥当であり、そのような病のもとでなされた「自白」の信憑性には疑いがある、というものである。そして病理学的な脳炎の検査の必要性が求められてきた。
 平沢の獄死後、私と遠藤誠弁護士は、東大の病理学教室に解剖を要求し、それは実現したが、十数年たっても、東大は、脳の病理学的所見を明らかにしなかった。
 そこで、遺体は遺族に所有の権限があるという要求をし、平成十年、平沢の脳は、私のもとに返還された。
 私と弁護団は、秋元波留夫さん(元東大精神医学部教授)に依頼、「精神医学研究所」で脳の検査が行われた。(写真右・平沢の脳が返還され会見する平沢武彦と遠藤誠弁護士)
 その病理学的な結果は、昨年、「精神医学研究所」の池田研二による「平沢貞通氏脳の神経病理学検討」と題する論文により公表された。
コルサコフ病は脱髄性脳炎ともいわれるが、この検査により、様々な脳組織の病変が判明したとともに、その中でも特に注目されたのは、明瞭に脳に脱髄があったことだった。
 「精神鑑定書」では、平沢の症状から、脳炎の状態が記されたが、半世紀ぶりの検査により、病理学的な検査によって、亜慢性期のコルサコフ病であることが明白となったのである。(写真左・元東大精神医学部教授・
秋元波留夫氏)
 一般的にはコルサコフ病の後遺症といわれているが、正式には慢性期のコルサコフ病とされる。急性期には、死に至る可能性ある精神及び身体の衰弱、長期間の記憶の脱落などが見られるが、慢性期には、空話的虚言壁、病的虚栄心とともに、暗示や誘導を受けやすいなどの症状が残る。また、自白時においては、拘禁反応に起因する記憶の脱落も見られる。
 秋元波留夫元教授をはじめ、多くの精神医学者は、コルサコフ病と拘禁精神病に陥っていたと思われる、平沢貞通の自白には、信憑性はないと指摘している。
その詳細については、「平沢死刑囚の脳は語る」(インパクト出版会刊)に記されている。

 平沢が何故、春画を描いていたことを捜査段階、裁判において言わなかったのか。それは、コルサコフ病による病的な虚栄心が起因しているかも知れない。平沢は、春画を描いていたことは、画家としての死を意味すると思っていたのではないだろか。病理学論文で、池田研二は、慢性期の平沢には「楽観的循環気質で自己顕示的傾向」があったと記している。帝展無鑑査の画家としてのプライドから、自分が無実なのであるから、都合の悪いことは明らかにしないでも無罪になるという楽観的な考えが、平沢の心の暗部にあったのかも知れない。

平沢貞通氏を救う会
e-mail :
teigin-case@gasho.net