第二の帝銀事件、「日本の黒い夏-冤罪-」 (監督・熊井啓)
3月24日より全国ロードショー公開 |
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松本サリン事件、1994年6月28日夜、けたたましい救急車やパトカーのサイレンと赤い光が交錯し、パニックにおちいる住民、消防隊員や警察官の怒号、次々と犠牲者が運ばれていく。
その中に河野義行さん一家もいた。河野さんは薄れゆく意識のなか、家族の安否を思った。しかし、奥さんは重態で意識不明。
そして、河野さんは、病院での闘病生活の中にいたが、捜査当局と報道関係者は、サリンは素人でもつくれる、農薬等を所持していたと、河野さんを犯人視する方向へ動いていた。ワイドショーなどは、いわれのない噂をもとに、連日、河野さんへの疑惑報道がなされていた。
そんな事態になっているとは、河野さんは、知るよしもなかった。
しかし、退院後、捜査当局による事情聴取、それは、犯人と決めつけて自白を強いるものだった。河野さんは、つよく抵抗、だが、奥さんは、とりもどすことのない意識不明の状態にあった。
オウム真理教による犯行と判明しなければ、河野さんは犯人に仕立てあげられていたかも知れない。まさに、第二の帝銀事件といえる。
そんな冤罪の原型的な構造を持つ、このケースを、先にお伝えしたように、熊井啓監督が映画化、タイトルは「日本の黒い夏-冤罪-」。
熊井監督は「帝銀事件死刑囚」でも、事件現場を、徹底して厳密に再現したが、この映画でも、現実と見違えるほどの迫力で撮影は進められた。
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この現場での撮影には、放送記者役の細川直美さんもいた。彼女は「映画に出演して、今まで知らなかった事件の裏側を見ることが出来ました」とコメント。
テレビ局の報道部長役の中井貴一さんは「事件を風化させるのは怖いし、冤罪を起こしてはいけない自覚を持つべきだと思って、この役を引き受けた」、河野さん役の寺尾聡さんは「誰かが残さないといけない作品に参加できることに喜びを感じる」という。
作品は、松本サリン事件での冤罪報道を、検証するドキュメンタリーを制作するため、地元のテレビ局を取材した高校生の放送部員の視点で描かれる。
一人の市民が、冤罪に巻き込まれていくプロセス、マスコミ報道、警察捜査のあり方を問う内容である。
熊井監督は「河野さんを中心とする脚本を書いたけれど、納得いかなく、若い目で事件を見る発想に変えた。若い人にも、ぜひ見てもらいたい」と語る。 |
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