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  ストップ!核のマチとまこまい  
第4号 2001年1月10日発行(隔月刊)
発行所/ITERの苫東誘致に反対する会
  stop-iter@gasho.net
このNEWSは、紙媒体で発行されたものをWeb用に再編集したものです。

このままでは
苫小牧が核のゴミ捨て場に!
◆放射性廃棄物の
      最終処分地は苫小牧に
◆苫東企業進出はストップ!
  科学技術庁が作成した「ITERサイト国内調査条件(案)」が公表されました。それによると、ITER建設の国内候補地に選ばれるには、数万トンの「低レベル放射性廃棄物」が処分されることに「地元の理解と協力が得られること」が「基本条件」になっています。
 ITERから発生する放射性廃棄物は、およそ100年間の管理が必要だと言われています。
 97年4月20日に苫小牧で行われた「ITER公開討論会」で、日本原子力研究所の田中裕・特別研究員は「放射性廃棄物を100年程度、国内で受け入れるのはやむを得ない。ただ100年経てば大丈夫」と語っていました。
 しかしこの発言に「きわめて甘い評価でも100年経たなければ『大丈夫』にならない廃棄物(発生直後には、そばに近づいただけで即死する)が地元に押し付けられるのである。しかも、100年経った後も、放射能は減るにせよ、ゴミとして残り続けるのだ。」と西尾漠氏(原子力資料情報室共同代表)が批判しています。
 苫小牧東部地域には、もう企業は来ないでしょう。危険で、イメージの悪い「核の街」苫小牧に喜んで進出する企業はありません。せいぜい、廃棄物の処分場になる程度でしょう。あるいは、いま沖縄にある基地が移設されるのでしょうか。経済的にもマイナスです。
 そればかりか、漁業や農業などには、風評被害がつきまといます。「放射能が地下水に漏れた」と疑われるだけで、「苫小牧産」と書かれた商品は誰も買わなくなるのです。あの、東海村や所沢の悲劇が苫小牧でも引き起こされます。

 核廃棄物の最終処分地になることが公表された今、改めてITER誘致を止める住民の声を結集して『核のまち苫小牧になるのを止めましょう』。

 

 

(注)現在、日本で用いられている放射性廃棄物の分類は、使用済み核燃料の再処理において発生する廃液及びその固化体のみを、高レベル放射性廃棄物とし、その他の放射性廃棄物は原則として全て「低レベル放射性廃棄物」としています。ですから低レベルといっても、危険性が少ないというわけではありません。

◆100年間の核のゴミを
    子供達に引き継ぎますか?
 小さい子供達、これから生まれてくる子や孫に代わって、苫小牧を「核のゴミ捨て場」にする選択を誰ができるのでしょうか。
 「100年経てば大丈夫」などとは、誰に向かって言っているのでしょう。私たちは、子供たちに向かって「大丈夫」などと無責任な事は言えません。なぜならばその子供達が生きている間、ずっと放射線を出し続けているからです。
 次の世代に危険な放射性廃棄物を「相続財産」として引き継ぐことは、莫大な借金を残す以上に無責任なことです。借金ならば「相続放棄」もできますが、放射性廃棄物は、もうどこにも動かせないのです。
──核施設イーター(ITER)を苫小牧につくりたくない人お集まりください──  
『ストップ ITER! 苫小牧集会』
2001年 1月 20日(土) 午後1時30分〜(開場1時)
苫小牧文化会館ホール(苫小牧市旭町2-8-19)  参加料 500円
講演 立松和平氏(作家)/西尾 漠氏(原子力資料情報室共同代表)
コーディネーター 小野有五氏(北海道大学地球環境科学研究科教授)
主催/ITERの苫東誘致に反対する会(連絡先090-3110-0354) 呼びかけ人/八木健三(北海道大学・東北大学名誉教授)・坪谷道子(幌延深地層研究所建設反対道民連絡会)・今井タツ子(健康をつくる会)・中島和子(市民ネットワーク北海道)・柏陽太郎(反核・反原発全道住民会議)・森山軍司郎(専修大道短大教授)・石塚オサム(ITER・核融合問題を考えるネットワーク・北海道)・小縣文子(苫小牧消費生活を考える会)・山川美明(大地の会)・館崎やよい(苫小牧の自然を守る会)・吉村幸明(北教組本部)・中田光男(北教組胆振支部)(敬称略)

科技庁も認める!
ITERの危険性
数十ミリシーベルトの2倍だった! 苫東へのITER誘致に関する住民世論調査
 行政は住民の声を聞き、白紙撤回を!
 前号の記事で、ITERの事故時には、「トリチウムの放出だけでも数十ミリシーベルトに達する」という新聞報道を紹介しました。一般人の年間被曝限度が1ミリシーベルトですから、その数十倍の危険性を想定していることになります。
 しかし、もっと恐ろしいことがわかりました。さらに、放射化ダストであるタングステンダストも「トリチウムと同じレベルの線量放出される」というのです。
 トリチウムの放出が数十ミリシーベルトで、それと同じ線量ですから、さらに数十ミリシーベルトが足され、数十ミリシーベルトの2倍ということなのです。一般人の被曝限度の100倍程度になるということです。
 しかも、これは全部100メートルの煙突から放出されたものとして計算されています。つまり、広範囲に薄められた結果として、人間への被曝量が少なく見積られた「計算」がされているのです。
核廃棄物地元処分に反対81.9% 
          誘致反対派住民76.1%

 北海道地方自治研究所が苫小牧周辺住民を対象に実施した調査結果が12月14日発表されました。
 報告から、住民はITERに関して十分な情報を持ち合わせていないこと、核廃棄物の地元処分、ITER誘致については、住民ははっきりとNOを選択している結果がでました。
 北海道、苫小牧市は誘致継続と判断していますが、それは住民の声を反映していません。行政側はこの結果を真摯に受け止め、ITER誘致を白紙撤回すべきでしょう。

事故時の避難も想定? 質問書に対して市から回答
 科技庁の資料には事故時を想定して、次のように記載されています。
 「内蔵する放射性物質の全量が地上放出すると周辺公衆に過度の放射線被曝をもたらし得ることに鑑み」て「ITER施設と周辺公衆との間の隔離の適否、並びに、敷地外における緊急時計画(防災対策)の必要性の有無を評価すること」。
 地上放出ですから、薄められずに放射能が人間を襲うわけです。「過度の被曝」と数値らしきものすら書かれていません。とてつもない被曝量となるのでしょう。
 さらに、「避難が必要になるかどうか検討が必要」というのです。科技庁もITERが安全な施設などとは考えていないのです。
 私たちが苫小牧市に送付した質問書に対して、11月20日付けで回答がありました。
 質問書は、9月の「日刊工業新聞」に「ITERの事故時の被曝の基準が5ミリシーベルトに設定された」という記事が掲載され、その内容の説明を求めたものでした。
 ところが、市の回答は、科学技術庁から「説明はない」が「資料は入手し、熟読している」から始まるもので、科学技術庁の説明を聞かずに回答してきたものでした。それでは単なる勝手な推測であり、責任ある回答とは言えません。
 質問書を送付した後に、より詳細な資料も公表されています。それらの新しい状況もふまえて、12月15日苫小牧市に「再質問書」を提出しました。
巨大核施設はいらない!! 冊子紹介
 市の答弁などを聴いていますと、「原発と異なり安全」という当初の主張は後退して、いつのまにか「原発よりは安全」というニュアンスに変わってきています。大変な違いではないでしょうか。
 ただ「暴走がない」という点だけで、安全であるかのように語るのはごまかしです。科技庁の資料にある事故時の検討が、それを物語っています。
 私たちは、色も臭いもない放射能におびえて生活することも、事故があって逃げまどうこともごめんです。ITERとは共存できません。
 ITER(イーター)とは日本、ロシア、EUの3極が共同で核融合の実験を行う施設です。燃料に放射性物質トリチウムを大量に取り扱うこと、実験により中性子が発生することなど、多くの問題を抱えています。日本で誘致しているのは苫小牧、六ヶ所村、那珂町の3か所のみです。今年春頃までに日本の建設候補地が選定されると見られています。
<最新>
槌田敦氏『核融合は完全に失格なのに、
        何故日本はこだわるのか』

 2000年7月苫小牧での講演会記録。500円 
広瀬隆氏『東海村臨海事故とITER』
 99年苫小牧での講演会記録。300円
ブックレット『ITER問題Q&A』
 ITERの31の疑問に答えながら問題点を整理。
 300円
※希望者はstop-iter@gasho.netに連絡下さい。


編集後記
あけましておめでとうございます。年明け早々、「ストップ ITER! 苫小牧集会」がありますね─。ステキな講師の方々、呼び掛け人の皆さんのご理解のおかげで実現することができました。お誘い合わせの上、ぜひ来て下さいね。21世紀もわしらのまちを守るため、みんなで力を合わせてがんばろうぜいっ!