1999年3月14日の全国紙の朝刊でも報道されたが、このページでもたびたび伝えている「千歳川放水路計画」は、堀達也北海道知事の私的諮問機関である「千歳川流域治水対策検討委員会」(委員長:山田家正小樽商科大学長)によって同放水路計画を今後の検討対象から除外し別の治水対策を推進すべきとの提言をまとめ、事実上中止となった。
しかしながら、開発庁の代替案である「新遠浅川方式」(ミニ放水路案)が言葉として残ることになり、「千歳川放水路」復活の可能性を残した意味での「中止」といえよう。
(掲載日:1999年3月16日)
(一部追加:1999年6月6日)
文:「千歳川放水路に反対する市民の会」
事務局・大西 陽一
辻井委員(生物学)
石狩低地対の生物の多様性から分断されるべきではない。
サイホン方式含め生物学的に危険性をはらんでいる。
人工的に流路の改変はさけるべきで、したがって、(新遠浅川方式)中間報告に残すべきはない。
板倉委員(河川工学)
早急に実施されるべきは、現状の1/5から1/20の改善である。
1/100にするのには、背割提・河道移設などがあるが、効果があるのは、新遠浅川方式だ、千歳川放水路は17年の論議になったが、以前と違ってそんなにかかるとは思わない。
藤間委員(河川工学)
合流点方式(流域内対策)、新水路、背割提は大規模工事で、江別に負担がかかる、また、残土処理が困難である(5,000万トン---これは新遠浅も同じ)合意形成が困難
内田委員(経済)
自然災害と自然保護は、いずれもその時どきの人間の都合で考えなければならないと思う。
新遠浅川が千歳川放水路と同じルートでは合意形成は困難である。
しかし、新遠浅川方式が十分論議されたとは思わない。
山田(委員長)
では、どうすればよいか
内田(経済)
現時点では、新遠浅川方式は組み入れるべきでない
出村委員(農業経済)
??(残す方向の発言……)
西山副委員長(海洋生物)
専門の立場からいえば、海洋の環境変化は非常に予測困難であり、それが洪水時だけの放流となれば全く予測できない、したがって、流域外対策はとるべきでない
山田委員長 個人の専門分野から
新遠浅川方式が千歳川放水路と同じ影響を払拭できない
環境に著しく変化をもたらし、攪乱する事になる
水脈問題も実現される保証はない、危険性が考えられものは選択すべきでない
以上が各委員の発言要旨です、マスコミ各社も大きく扱っていると思いますが河川計画が、地方からの見直しによって、現計画の変更を明確に求める結論を出したことは画期的な事件だと思います。
検討委員会は、千歳川と石狩川との合流点整備をはじめ、有効であると思われる様々な洪水解決策を検討し、総合治水対策としてまとめた。これらを実施することによって千歳川流域の治水は著しく改善されると判断する。
新遠浅川案のような流域外対策は、総合治水対策の進行状況を見た上で、万一それらが著しい効果を果たさないと判断された段階で、新たな検討事項として取り上げられるべきものと考える。
補足の説明
(1)検討委員会が、「地域の合意としての治水対策」という知事から付託された課題と、検討委員会委員の意見が一致しない状況を勘案すると、上記の表現が、結論の限界である。
(2)上記の表現に盛られているように、この扱いは、いわゆる両論併記ではなく、優先順位が明記されていることを理解していただきたい。
(3)ここでは、流域外対策が将来の検討課題になる可能性を残した。このことが総合治水計画の進展の妨げになることのないように、知事が建設省に説明し配慮を求めることが必要となろう。なぜならば、現在の治水計画の変更手続きの申請に当たって治水の方向性が定まらないと認識されるようでは、早急に必要な、しかも着工可能な治水工事ですら実施できないことが予想されるからである。
(1)「中間まとめ」自体に対し、絶対的容認できないとした意見は皆無である。
(2)今後の治水対策に期待し、当面の治水対策の早期実現。
(3)当面の治水対策に果たす北海道の役割。
<相対する意見>
(1)新遠浅川について、合流点対策と同等の位置付けを望む。
(2)新遠浅川方式に検討の余地を残したことは遺憾であり削除すべきである。
(3)優先順位が曖昧で、明確にすべきである。
(1)基本高水流量、安全度の再検討が必要である。
基本高水流量と安全度に異論がある。
安全度の数値を流域住民に理解しやすいようにする。(国内の他の河川で安全度を設定しても実現していないことが多い)
流域全体を同じ確率でカバーする必要がない
安全度が、千歳川放水路と同じ効果があることを明確にする。
(2)内水調整地18km2は、地元負担が大きすぎる、縮減できるのではないか。
工法を検討すべきで、また、遊水池も地元負担が多い
(3)抜本的治水対策として、千歳川放水路を残してほしい。
(4)合流点対策は石狩川全体の視点から整合性をもつこと。
狭い範囲の工法ではなく、多様性を求めること。
(5)社会制度の充実、被災者補償
自治体レベルでの研究・ハザードマップの制定を明示する
(6)河川管理者の説明責任と住民対話
情報の公開と提供
(7)千歳川放水路中止に伴う、ルート上の営農上の補償問題。
(8)用語の解説が必要である。
これらを、意見として提言書に盛り込む、また、意見書を付属資料として添付する。
提言書の概要
提言「中間まとめ」
各団体の意見
資料
経緯等・各団体のこれまでの意見・拡大会議での意見書・小委員会で入手した資料
道の検討委員会設置要綱・開催記録
これらが、最終検討委員会での了承事項。
関連資料
各団体からの千歳川流域地治水対策検討委員会への意見書
「千歳川放水路に反対する市民の会」からの意見書(1999年3月10日)
「(財)日本野鳥の会」からの意見書(1999年3月9日)
「とりかえそう北海道の川実行委員会」
「千歳川放水路に反対する市民の会」
「市民ネットワーク北海道」
「(社)北海道自然保護協会」
「(財)日本野鳥の会保護・調査センター」からの連名意見書(1999年2月18日)
以上、3つの意見書は「千歳川放水路に反対する市民の会」代表・大西陽一氏のご厚意により提供されたもので原文のまま掲載しました。
| 検討委員会メンバー | ||
| 委員長 | 山田 家正 | 小樽商科大学長(生物) |
| 副委員長 | 西山 恒夫 | 北海道東海大学学長(水産) |
| 委員 | 板倉 忠興 | 北海道大学教授(河川) |
| 委員 | 内田 和男 | 北海道大学教授(経済) |
| 委員 | 辻井 達一 | 北星大学教授(環境) |
| 委員 | 出村 克彦 | 北海道大学教授(農業経済) |
| 委員 | 藤間 聡 | 室蘭工業大学教授(河川) |
| 拡大検討委員会 | ||
| 委員 | 黒氏 博実 | 千歳川水系治水対策連絡協議会(恵庭市長) |
| 委員 | 吉田 義忠 | 流域農業関係者(恵庭土地改良区理事長) |
| 委員 | 森 隆雄 | 苫小牧市企画調整部長 |
| 委員 | 浅田 昭弘 | 連合北海道政策調査部長 |
| 委員 | 山本 行雄 | 札幌弁護士会 |
| 委員 | 葉山 政治 | (財)日本野鳥の会ウトンナイ湖サンクチャリチーフレンジャー |
| 委員 | 黒木 大仁 | (社)北海道自然保護協会常務理事 |
| 委員 | 小野 有五 | 北海道大学環境科学研究所教授 |
| 委員 | 大西 陽一 | 千歳川放水路に反対する市民の会 代表 |
| (葉山から大西までのうち2人がテーマ別に委員になる) | ||
| オブザーバー | ||
| 吉田 義一 | 北海道開発局河川計画課長 | |
| 岡部 和憲 | 北海道開発局河川課流域対策官 | |