出張先の千倉の民宿の玄関先で仔猫を拾ってしまった。正確に言えば、拾って家に連れて帰ろうとしたのだけれども、同行のライター氏が飼ってくれることになった。
民宿で朝食を済ませた後、玄関ホールでコーヒーをすすりながら新聞を読んでいると、どうも小鳥の声に混じって助けを求める猫の声がするような気がした。あちこち探してみたところ、玄関先の酒のプラスチックケースの下から声がする。
ケースを持ち上げた途端、淡い茶色の仔猫が裏の方へ向かって一目散に駆けて行った。多分母親の元へ戻ったのだろうと一安心……。
ところが、そこには母親の姿はなかっようで、再び助けを求め鳴き始めた。猫の鳴き真似をする小生を母親と間違え、鳴きながら一目散に寄ってくる。近づいてみると人間の姿しかないので慌てて逃げる……、その繰り返しの後、無事に保護。
民宿の奥さんにミルクをもらってようやく鳴き止んだが、さて、どうしたものか……。
確実ではないけれど、とりあえず心当たりがあったため、家に連れて帰ることとなり、東京までの道のり、前出のライター氏の膝上へ。元々猫好きのライター氏、すっかり情が移ってしまったらしく、「ウチで飼うよ!」ということと相成り、メデタシ、メデタシ……。
千倉の海岸近くで見つかったということで雄だけれど、とりあえずの名前を「チクラ」と命名した。
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